リヴァプール生まれのタフな winger
アンソニー・ゴードン。2001年2月24日、リヴァプールの街に生まれたこの若きウィングは、近年のプレミアリーグで最も注目を集める選手の一人へと成長した。
地元クラブであるエヴァートンのアカデミーで育ち、トップチームでのキャリアをスタートさせたゴードンは、2023年1月の移籍市場でニューカッスル・ユナイテッドへ加入し、キャリアの新たなステップを踏み出した。加入後わずか1年半ほどで、イングランド代表にも定着。UEFA EURO 2024にも出場し、国際舞台でもその実力を見せつけた。
エヴァートン時代 ── アカデミーからトップチームへ
ゴードンがエヴァートンのアカデミーに入団したのは幼少期のことで、下部組織で着実にステップアップを重ねていった。2017-18シーズンに初めてトップチームのベンチに名を連ね、2019年には公式戦デビューを果たす。
ただ、すぐにレギュラーを掴めたわけではない。当初は出場機会に恵まれず、レンタル移籍で経験を積む選択肢も検討された時期があった。しかし、2021-22シーズンに入ると状況は一変する。ラファエル・ベニテス監督、そしてその後を引き継いだフランク・ランパード監督の下で、ゴードンは飛躍的に成長を見せた。
特に22歳以下の選手としては異例の存在感で、エヴァートンが苦戦するシーズンの中でも攻撃の核として機能。チームが降格圏に沈む中でも、ゴードン個人のパフォーマンスは多くのスカウトの目を引くものだった。
2023年1月 ── ニューカッスルへの移籍劇
2023年1月の移籍ウィンドウは、ゴードンにとって転機となった。ニューカッスルが約4500万ポンド(諸説あるが)の移籍金で獲得に動いたのだ。当時のニューカッスルはサウジアラビアのPIFによる買収後、戦略的な補強を進めていた時期であり、ゴードンの獲得はその一環として位置づけられた。
エヴァートンファンにとっては複雑な感情を抱く移籍でもあった。地元のクラブから去る選手に対して、一部のファンは批判的な反応を見せた。移籍の経緯には뽈뽈とした報道もあり、選手本人にとっても決断には大きな覚悟が必要だったと推測される。
しかし、結果的にこの移籍はゴードンにとって大きなプラスとなった。
ニューカッスルでの台頭
エディ・ハウ監督の下、ゴードンは当初こそ適応期間を要したものの、2023-24シーズンにはチームの攻撃陣における中心的存在へと昇格した。
左ウィングを主戦場としながらも、右サイドやセンターフォワードのポジションでも起用される柔軟さを持つ。2023-24シーズンにはプレミアリーグで2桁ゴールを記録し、アシストも積み重ねた。ニューカッスルがチャンピオンズリーグに挑戦する上での不可欠なピースとして、ゴードンの存在感は年々増していった。
特に印象的だったのは、ビッグクラブ相手でも臆さない姿勢だ。アーセナル、マンチェスター・シティ、リヴァプールといった強豪との対戦でも積極的に仕掛け、チャンスを創出するプレーは、彼のメンタルの強さを如実に物語っている。
プレースタイル ── 速さと粘り強さの融合
ゴードンのプレーを一言で表すのは難しいが、いくつかの特徴が際立っている。
スピードとドリブル
左サイドからインサイドに切り込むドリブルはゴードンの最大の武器の一つ。1対1の局面では相手ディフェンダーを振り切る加速力があり、狭いスペースでもボールをキープできる技術を持っている。
守備貢献
近年のフットボールにおいて、攻撃的な選手にも守備への参加が求められるようになった。ゴードンはこの点でも高く評価されている。自陣に戻ってのプレッシング、ボール奪取への積極性は、エディ・ハウ監督が求めるチーム戦術との親和性が高い。
メンタリティ
若年ながらも強い精神力を持つ。試合中の集中力の維持、逆境に立たされた際の反応など、ゴードンのメンタル面は彼の成長を支える重要な要素だ。
イングランド代表として
ゴードンは各世代別の代表を経験し、2024年にはフル代表デビューを飾った。EURO 2024のメンバーにも選出され、準優勝に終わった大会の中で貴重な経験を積んだ。
ガレス・サウスゲート監督時代、そしてその後の監督体制においてもゴードンは代表に招集され続けている。イングランドの攻撃陣には多くの才能が集まる中、ゴードンは確実に自分のポジションを確保しつつある。
左ウィングのポジションでは、フィル・フォーデンやジャック・グリーリッシュといった選手との競争が存在するが、ゴードンは自身のプレーでアピールを続けている。
周囲からの評価と今後の展望
ゴードンに対して、サッカー関係者からは一貫して高い評価が寄せられている。ニューカッスルのエディ・ハウ監督は、ゴードンの成長とプロフェッショナリズムについて繰り返し言及してきた。チームメイトとの関係性も良好で、クラブ内の雰囲気にも好影響を与えているとされる。
ゴードンにとっての次のステップは、一貫性のさらなる向上と、チャンピオンズリーグのようなビッグステージでの証明だろう。ニューカッスルがヨーロッパの頂点を目指す中、ゴードンはその野心に不可欠な存在になりつつある。
23歳という年齢を考えれば、まだキャリアの序盤にいるといっても過言ではない。リヴァプールの街から生まれ、エヴァートンで育ち、ニューカッスルで花開いたこのウィングの物語は、まだ始まったばかりだ。
アンソニー・ゴードンの成長は、イングランドサッボール全体にとっても大きな財産となるだろう。今後数年間、彼がどこまで到達できるのか。その答えを、ファンは静かに、そして時に熱狂的に見守り続ける。