サーティワンとペコちゃんが、妙にしっくりくる理由

街のサーティワンの店先に、ペコちゃんが立っている。それを見ても、多くの人は足を止めない。「ああ、またやってる」と受け流して、アイスのショーケースへまっすぐ向かう。
落ち着いて考えてみると、これはなかなか不思議な組み合わせだ。ペコちゃんは1950年に生まれた、日本の菓子メーカーの看板娘。サーティワンはアメリカ生まれのアイスクリームチェーンで、日本に上陸したのは1970年代半ばのこと。生まれも育ちも違う。なのに並んでいても不自然さがなく、むしろ「似合う」とすら思える。
この似合い方には、ちゃんと理由がある。

サーティワンと不二家は、もともと他人ではない

サーティワンが日本で店を広げはじめたころ、その国内展開を担ったのは、ペコちゃんの不二家だった。アメリカのバスキン・ロビンスと手を組み、アイスクリームを日本の街に根づかせようとした。菓子屋がアイスクリーム屋を連れてきた、と聞くと妙な話だが、冷たいお菓子を売る商売としては地続きだったのだろう。
その後、資本関係は変わり、いまのサーティワンは別のグループが運営している。それでも「31」というブランドがこれだけ自然に街に馴染んでいるのは、この時期に菓子屋の商売の感覚が持ち込まれたことが土台になっているように思う。
つまりペコちゃんとサーティワンは、いまは別々の家に住んでいるが、もともとは親戚のような間柄だ。店頭で二人が並んでいても誰も違和感を覚えないのは、たぶんそのせいだ。

ペコちゃんは「変わらない」ことで強くなった

ペコちゃんのすごさは、70年以上たっても表情がほとんど変わらないことにある。舌を出して、にっこりしているだけ。しゃべらないし、季節ごとに衣装を替えるわけでもない。
この手のキャラクターは、時代の空気に合わせて姿を変えていくものが多い。それはそれで正しい戦い方だが、ペコちゃんは逆をいった。変えないことで、どこにでも収まる体になった。紙コップのフタにも、巾着にも、ぬいぐるみにも、アイスケーキのプレートにも。線が少なく、色が少なく、それでいて感情が読める。デザインの仕事としては、これ以上ないくらい強い。
サーティワンのロゴも同じタイプだ。ピンクとブルーの、丸みのある図形。文字が読めなくても、遠目に見ただけで「あれだ」とわかる。古びないデザイン同士は、並べてもケンカをしない。

「懐かしい」だけでは説明できない

いまの日本では、懐かしさがかなり強い買い物の動機になっている。昭和レトロ、平成レトロという言葉が定着したのも、その表れだろう。ただ、サーティワンとペコちゃんの組み合わせが効くのは、それだけが理由ではない。
ペコちゃんを知らない小さな子どもが、店頭のぬいぐるみを欲しがる。親は「昔からいる子だよ」と言い、子どもは「かわいい」と言う。同じものを見て、まったく違う理由で欲しがっている。これが大きい。
思い出を買う人と、かわいさを買う人が、同じ列に並ぶ。片方だけでは、ここまで広がらない。長く愛されてきたキャラクターと組む意味は、たぶんこの「二世代が別々の理由で手を伸ばす」ところにある。

欲しいと思ったとき、まず何を見るか

コラボのグッズや限定フレーバーは、情報の出方が独特だ。慌てて動く前に、押さえておきたいことがいくつかある。
一次情報は公式の発信だ。アプリ、公式サイト、公式SNS。まとめサイトやフリマの画像は、発売日も在庫も保証してくれない。そして店舗ごとの差が大きい。同じ市内でも入荷のタイミングは違うし、取り扱いのない店もある。
数量が限られているものは、発売日の午前中に動くことが多い。予約や取り置きができるかどうかも店によって違うので、電話で聞いてしまうのが一番早い。フリマアプリの値段は発売直後に上がりやすく、少し待つと落ち着くこともある。アイス本体を買って帰るなら、保冷バッグは忘れないほうがいい。夏場は特に。

それで、結局なぜ少し嬉しいのか

知っている顔が、いつもと違う場所にいる。それだけのことなのに、少し嬉しい。ペコちゃんは70年以上、不二家の店先に立ち続けてきた子だ。その子がアイスクリーム屋に来ている、というだけの話なのだが、妙に納得してしまう自分がいる。
「かわいい」と「懐かしい」は、似ているようで違う。前者は前を向いていて、後ろは後ろを向いている。サーティワンとペコちゃんの組み合わせは、その二つを同時に満たしてくれる。だから店頭で見かけてもべつに足は止めないのに、少しだけ気分が上がるのだと思う。

Source: HotArticle

Original link: https://www.hotarticle24.com/2f9o7pp6

Recommended For You

Lucas Evangelista: The Brazilian Midfielder's Journey Through European Football

Lucas Evangelista is a Brazilian professional footballer known for his technical ability and vision as an attacking midf...

2026-09-12 8 views
夏の空、冬の海:りくとりゅうが語る「正反対」の奇跡

サウナの_Mspaで出会った、二つの対極的な魂。一人は、物静かで内省的、言葉よりも感情を大切にする「りく」。もう一人は、エネル...

2026-09-16 6 views
O peso invisível de ser o primeiro a chegar lá

H algo que ningum lhe diz quando voc sobe ao pdio mais alto. No sobre a medalha, nem sobre o trofu que parece pesar mai...

2026-09-16 9 views
Granita: Sicily’s Simple Answer to a Hot Day

On a hot summer morning in Sicily, granita can be breakfast, dessert, or simply a reason to pause. Served in a glass or

2026-08-23 6 views
新闻不只是信息,更是我们判断世界的方式

清晨打开手机,很多人第一眼看的不是天气,而是新闻。推送一条接一条,有的关于政策变化,有的关于城市生活,也有的只是某个瞬间...

2026-08-27 15 views